更年期になると卵巣の機能が衰えるために、卵巣から分泌されている女性ホルモン(エストロゲン)の量が減少します。エストロゲンの分泌量が減ると、脳は盛んに卵胞刺激ホルモンを分泌し、卵巣からエストロゲンを分泌するよう促します。しかし、更年期を迎えた卵巣は、必要な量のエストロゲンを分泌することができないため、エストロゲンの減少と卵胞刺激ホルモンの増加という「ホルモンバランスの乱れ」が起こります。ホルモンバランスの乱れによって「体のほてり(ホットフラッシュ)」「大量の汗」「めまい」「動悸」などの自律神経失調症状が現れたり、この年代の女性を取り巻く家庭や社会環境の変化からくる心理的ストレスも関与して憂うつや情緒不安定などの精神症状を引き起こします。
ホルモン補充療法等を行っても改善しない精神症状は、うつ病など別の精神疾患の可能性もあります。当院へは婦人科より紹介となる方も多くいらっしゃいますし、更年期障害を疑って自ら受診される方もおられます。女医であるため相談しやすいと思っていただける部分も大きいようです。まずはお気軽にご相談ください。